茨城県の狩りガールによる狩猟セミナーに参加してきたよ。

LIFE

普及センター主催 農業経営セミナーに参加

2019年1月18日、茨城県笠間市で行われた、農業経営セミナーに参加してきました。

平成30年度 農業経営向上セミナー(新規就農者のための農業講座 第8会)
主催:茨城県県央農林事務所 笠間地域農業改良普及センター 笠間地域就農支援協議会
正式名称はコレ⬆︎ 長いですね。

講演の目玉は「狩ガール」の活動について。

狩りガールの活動内容から、命とどう向き合っていくべきかという倫理的問題まで、約1時間に渡りお話を伺うことができました。

狩りガールとは

狩りガールとは 狩猟に携わる女性ハンター のこと

「狩りガール」というユニットや活動団体が存在するわけではなく、あくまでも狩猟に携わる女性ハンターの総称として使用されているそうです。誤解されている場合もあるようなので、念のため。

YUKA
「カープ女子」とか「スイーツ男子」と同じような感じね。

「狩猟」と「有害鳥獣駆除」の違い

同じように捕らえられがちですが、実際は似て非なるもの。今回お話を伺ってよくわかりました。

狩猟とは

狩猟とは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」で定められた猟具(網、わな、装薬銃、空気銃)を用いて、狩猟期間中に狩猟対象鳥獣を捕獲する行為のこと。農林水産物や人への被害の有無は関係なく、趣味として楽しむことができる。

有害鳥獣駆除とは

イノシシやシカ、キツネ、タヌキ、ハクビシン、サル、カラス、アライグマ、クマ等の野生鳥獣が、田畑を荒らしたりいたずらしたりして、農林水産物に被害を与える場合、もしくはその恐れがある場合に、環境大臣・都道府県知事・市町村長の許可を得て行う捕獲行為のこと。狩猟期間に関わらず捕獲することができる

狩猟を趣味とされている方が有害鳥獣駆除にあたっているケースが多いため混同されがちですが、よくよく考えてみると、捕獲という結果は同じでも「趣味」と「駆除」活動目的に大きな差がありますね。

近年の有害鳥獣被害について

最近、有害鳥獣の被害が拡大している、といったニュース、よく耳にしませんか。実際、被害が増加傾向にあるのは間違いのない事実ですが、それにはあるカラクリがあるそうです。

明治〜昭和にかけてが野生動物が激減。じつは近年が、例外的に有害鳥獣の被害が少ない100年だった!

なんと驚き。

なお、イノシシに関しては、明治時代に流行した豚コレラで個体数が激減していたけど、近年回復してきたため、被害拡大に繋がっている、ということです。なるほど。

ちなみに、野生動物の住処である森が少なくなってしまったために、人里に降りてきて悪さをするのでは?というのは間違いで、美味しいものがあるから人里まで降りてくるんだそうですよ。

YUKA
森に散らばった食料探すより、畑でいっぺんにタラフク食べた方が楽チンだもん。

狩猟の種類

狩猟には大きく分けて、以下の2種類の方法があるそうです。

わな猟
野生動物の痕跡を注意深く観察し、動物たちの行動範囲内に「わな」を仕掛ける狩猟方法。いわば野生動物との知恵比べ。仕掛けた「わな」は毎日の見回りが必要。
銃猟
銃を使用する狩猟方法。一般的には、猟犬を使い、数人でチームを組んで、野生動物を追い込み狙い撃つ。

田畑を荒らされてこまっている農家の方は、わな猟がおすすめ。ご自身の田畑の見回りと合わせて、野生動物の動向を探り、忍耐強く対策してみるのが吉だそう。

逆に、毎日の観察や見回りの難しい勤め人の方は、土日にガッと集中できる銃猟がおすすめだそうですよ。

どちらの方法を選ぶにしても、大切なのは諦めないこと

人間が常に警戒している気配は相手に伝わります。裏を返せは、警戒をやめてしまったことも相手に筒抜け。それこそ相手の思うツボです。なかなか結果がでなくても、辛抱強くねばりましょう。

YUKA
あきらめたら、そこで試合終了です。

狩りガールの大変なところ

とにかく寒い。びっくりするほど寒い。

正直すぎるこの感想、日々の苦労が伺えます。それでもここは茨城県。ここより北の大地の方々はもっと…と思うと、本当に大変な仕事です。これから狩猟に携わっていきたい方は、相応の覚悟が必要ですね。

お手洗い

狩りガールの活躍が目立つようになってきたとはいえ、まだまだ男性が圧倒的多数の狩猟の世界。彼女の参加する狩猟チームは、気づかい上手な方がいらっしゃるそうで、こまめにトイレ休憩をいれるなど配慮してくれているそうですが、実際問題これは頭の痛いところですね。

YUKA
本来お手洗いはジェンダレスな問題。性別を問わず配慮されるのがベストですよね。

イノシシの活用について

ジビエ

ジビエとは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)

イノシシの活用で、真っ先に思い浮かぶのは、やはりシシ肉、ジビエですね。

人に育てられる豚は、品質を均一にするため、人が与えた餌を食べ、運動量もほぼ一定、そして概ね同じ月齢で、お肉となって出荷されます。

一方、野生のイノシシは、雌雄や年齢の個体条件、また駆除された季節や食料などの環境条件は、どの個体も一定でありません。それが味の違いに繋がり、個性を生み出します。

YUKA
まさに天然の味!昔のヨーロッパでは、貴族階級の高級料理だったんだって。

臭いんじゃないの?なんて声も聞こえてきますが、それは処理方法の問題。個体の死亡後、迅速に適切な処理が行えれば、おいしいお肉としていただくことができるそうですよ。

ちなみに臭みは、主に血抜き不足や、内臓抜きの遅れが原因。肉が硬くなってしまうのは、死後硬直が溶ける前に解体を初めてしまうのが原因、といわれているそうです。

イノシシ革

革製品の素材としては、まだまだマイナーなシシ革ですが、薄いし、軽く柔らかい。革としてはとっても扱い安い素材だそうです。

講師の狩りガールさんは、革製品クリエイターへ定期的にシシ革を供給し、ハンターチームへ適切な報酬の支払いができるような、シシ革販売のビジネス化が目標だそうですよ。

イノシシ活用の問題点

わたしたちが普段口にする牛肉や豚肉は、食肉処理場でと殺され、適切な衛生管理のもと速やかに解体され、商品化されていきます。

ジビエの難しいところは、駆除対象として山林で「止め刺し」するところ。現状では、食肉と同様の衛生基準のクリアは難しく、また解体技術レベルについても、個人の技能に頼らざるを得ない状況ということになるのでしょう。

止め刺しとは「止めを刺す」こと。つまり絶命させること。
YUKA
ジビエを食すことは、あくまでも自己責任だそうですよ。

また、シシ革の販売については、既存のビジネスモデルがないため、ハンターへの報酬制度や流通等、すべてをゼロから構築する必要があるそうです。

関係機関での手続きひとつとっても「前例がない」ため、思うように進まない。実際に活動をはじめて、より一層の困難を感じ、苦心しているとのことでした。

命をいただく、ということ

今回お話してくれた狩りガール、そもそもなぜ狩りガールになったのか。

最初は駆除対象として処分されるイノシシが、ゴミとして捨てられていくことに疑問を感じたのが、きっかけだったそうです。いただかなければいけない命なら、無駄にしたくない。そのために何かできることはないか。

ひとことで片付けるは難しい倫理的な問題ですが、あえて言葉を選ぶとしたら、彼女は命をいただく行為について「自然の営みの一部として理解している」と話されていました。

YUKA
大切なのは、考え続けること。わたしも自分なりの結論を導きたいと思います。

まとめ

狩りガールさんから伺ったお話を元に、狩猟と有害鳥獣駆除の「基本のき」について、お伝えしました。

下に参考リンクとして行政機関関係ページのリンクを作成しておりますので、興味のあるかたは、あわせてご覧ください。

以上、ありがとうございました。

参考リンク

この記事は、セミナーで学んだ内容と筆者の主観を元に構成しております。できるだけ正しい情報を掲載するよう心がけておりますが、実際に何か行動を起こされる際には、関係各所にて最新情報を入手していただきますようお願いいたします。